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2013.05.17 Friday

ぼくとフリオと校庭で 諸星大二郎

短編読み切り集です。
私のお気に入りは「鎮守の森」「ぼくとフリオと校庭で」「沼の子供」「影の街」です。

タイトルにも使われている「ぼくとフリオと校庭で」は、自称宇宙人だと名乗る転校生フリオと、主人公の話。
フリオは超能力が使えるとか、自分は宇宙人なのだとみんなに言うので嘘つきよばわりされてしまい友達は主人公しかいない。そんな彼はいつも校庭の鉄棒にぶらさがりUFOを待っている。
ある日、フリオは主人公に「自分は明日UFOにのって街を去る」と告げる。
そして主人公に今日で最後だからと自分だけの秘密の遊び場を教えてくれる。
フリオのいうことをいつものホラだと思い信じなかった主人公だが、土手の上でUFOを待つフリオから目を離したとき、彼の父親とともにバス停に向かう別のフリオを目撃する。
どちらが本当のフリオなのか。
不安にかられた主人公は突然いなくなったフリオを探しに走る。


この作品集のなかで、この物語がもっとも身近で、それでいて奇妙で、日常というものの曖昧さを感じました。
小学校や、幼稚園の頃のことなどは、大人になるにつれてどんどん記憶が薄れていく。今になってみると、あれは夢だったのではないか?
というような出来事が、いくつかあるわけです。私はこの作品を読んで「NHKみんなのうた」で知った「さとるくん」という歌を思い出しました。小さい頃よく遊んだ友達だけど、彼は今はもうどこにもいない。他の子たちに聞いてみても、彼のことをだれも覚えていない。果たしてさとる君は誰だったのだろうか?そもそも本当に存在したのだろうか?

…とこう、歌詞は要約するとこんな感じで、歌声とあいまって少々不気味なのですが、ぜひ一度聞いてみてください。

話は戻りますが、この読みきり集は作者があとがきで書いているように、質の良い作品を選り抜いてつくったのだそうです。
そのため読み応えはあるのですが物語の舞台や時代、国がバラバラでそれぞれ雰囲気もまったく違ったものになっています。

奇妙で、不気味で、懐かしい世界にどっぷりと浸りたい。そんな気分のときにおすすめの一冊です。
 




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